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公開日:2025年5月28日

この10年で一番ツイてなかった出来事は、ドン・キホーテで買ったチョコバナナクレープのホイップメガ盛りを、たった 10歩で床に落としたことです。わけもなく、隣にいた夫を恨みました。でもそのとき、すれ違ったおじさんが眉を下げて「あっちゃあ~」という顔をしてくれたことで、なんとなく救われました。もちろん、ツライことやシンドいことはそれなりにありました。けれど振り返ると、「不運だったなあ」と思うことが、本当に思い出せない。「自分はツイている」と決めてから、実際そういうふうに物事が動いていくようになった気がします。

3月に新体制で夏号準備を始めた矢先、デザイナーさんから「持病が悪化したため、治療に専念したい」と電話が入りました。心配とともに、当然「どうしよう」と焦る気持ちも湧きましたが、その瞬間、「絶対大丈夫 。次の人も、すぐ見つかる」と思えました。そのわずか 1時間後の会合で、「じつは今、デザイナーを探していて」と話した相手が紹介してくれたのが、今回誌面を手がけてくれた方でした。その後、長く一緒に働いてきたスタッフのNさんも離れることになりましたが、このときも「絶対大丈夫」と思えた。そして実際、そのとおりになりました。もちろん、現場はバタバタしました。まだスムーズではないし、うまくいかないことも多々あります。でも不思議と、「ここから運が上がる」と思えました。そうして新旧のメンバー皆とやれるだけのことをやって、今号もどうにか無事に出すことができました。

昔の私は、「運とは不平等でどうしようもないものだ」と思っていました。うまくいってる人を見るたびに、表面的には祝福していましたが、「なんであいつばっかり」と、羨ましくて、悔しくて、妬ましくて、内心激しく憎んでいました(笑)でも今は、運は自分で引き寄せるものだと思っています。それはきっと、「自分はツイている」と決めることから始まるのだと思います。

今日できることは、小さなことかもしれません。黙々と手を動かす作業を、いつもよりていねいにやってみる。何かにとらわれて苦しいときには、心の中で「手離そう」と言ってみる。思いどおりにいかないときには、心の中で「成長させてくれてありがとう」と言ってみる。それだけでも、地に足がついて、目の前の世界が少しだけ開けます。塀の中も、外の社会も、決して楽な場所ではありません。でも、どうにもならないように思える日にも、選べることが一つくらいはある。
ともに、がんばりましょう。

2025年5月9日
Chance!!編集長 三宅晶子

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三宅 晶子
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