受刑者・出所者等を雇用する企業のための採用支援
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公開日:2022年9月1日

発刊のご挨拶

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

さてこのたび、少年院・刑務所等専用求人誌『Chance! !Vol.9秋号』を発刊いたしました。これまでの応募総数は延べ1,275件で、採用内定した方は233名となりました。このうち就労中の方が63名、退職された方が60名、所在不明となった方が20名、逮捕の連絡を受けた方が14名、残り76名の方が社会に出るのを待っている状況です。なお、これまで出所した157名のうち半年以上の定着率が49.0%1年以上の定着率が28.7%となっています。(※数字はすべて弊社把握による)

本年7月に、弊社は7回目の誕生日を迎えました。この日は、私が少年院から身元引受して母親代わりをしている女の子の誕生日でもあります。

彼女と一緒に暮らしていた当時の自分は、「こうあるべき」といった自分の思い込みを彼女に押し付け、自分の言うことを聞かせようとしていました。彼女が家出をした夜に、私は初めて、親の気持ちがわかりました。亡き両親と祖母に、心から「ごめんね」と伝えると同時に、そんなことに気づかせてくれた彼女に、心から「ありがとう」と感謝しました。

1年後に我が家を出て彼氏と一緒に暮らしはじめた彼女は、そこから転々としました。彼女が2人目の子どもを妊娠した頃まで、私は「自分が助けなければ」と勝手に思い込み、必要のないところまで手を出して、結果的に彼女の依存心を助長し、ドロドロの共依存関係になっていました。けれども、あることを境に「お金の支援はしない」と決めて一線を引いてから、ずいぶんと良い関係になりました。そしてこのことは、「自分の言動が相手の自立の背中を押しているのか、それとも邪魔しているのかといった視点に常に立つ」という、自分の中の大きな軸となりました。すべて彼女のおかげです。

現在、彼女は生活保護を受けながらシングルマザーとして2人の幼児を育てていますが、介護のパートで認められて8月から正社員となり、週6日勤務をこなしています。

かつて保護観察官から「普通に就労することは無理」と言われた彼女は、生活保護を切って引っ越しすることを目標に、頑張っています。もちろん、また落ちることもあると思いますが、ただ生きていてくれたらいい。実の親から育児放棄や虐待を受け「誕生日が嫌い」と言っていた彼女の存在を祝福し続けたくて、私は彼女の誕生日にこの会社をつくりました。 弊社が社会から求め続けられている限り、存続してまいります。

今後とも何卒ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

敬具

2022年9月1

株式会社ヒューマン・コメディ
代表取締役 三宅晶子

 

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三宅 晶子
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