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公開日:2019年6月16日

先月終わりのこと。
沖縄に近いある島の企業に就労した松田さん(仮名、51才男性、元泥棒)が寝坊しました。
同僚に起こされ、そのまま社長に報告せずに出社して仕事を始めた松田さん。
社長から電話で「寝坊はいい。でもこちらが心配しているのに、なぜ一言報告せずにシレっと仕事しているのか」と言われ「じゃあ今日で辞めます!!」と逆ギレして帰宅。

ちなみに彼の件で社長から連絡をもらうのはこの半年で3回目で、彼が「大切にされていない」とか「さびしい」とか感じたときに「問題行動」が出ると私は感じています。
社長から連絡を受けた私は翌日、その島に行きました。
アパートの戸を叩き続けること数分。
飲んで上半身裸で寝ていたらしい松田さん、戸を開けて私の顔を見るなり絶句。

「・・・なんでここにいるんですか?」
「松田さんと話をしに来たんだよ」

彼は「自分が辞めるって言ったからって、ああそうですかという社長がわからない」「もっとちゃんとケンカしたい」「自分と向き合ってほしい」と言っていました。
さらに、その社長のおかげでできた大切なご縁をすべて捨てて、誰にも会わずに東京に帰ろうとしていました。

私は、「失敗したのは自分が悪いのに、それを認めて謝る素直さがない」「甘い」「ワガママ」「逃げてる」「感謝が足りない」「2歳児」「今のままならどこに行ったっておんなじ。ずっと孤独が続く」と、思ったことをぜんぶ伝えました。

それに対し彼は「その通りだと思います。全部わかってます」というばかり。
ぶん殴って帰ろうかと思いましたが、私はそれをしませんでした。
代わりに、社長の友人で松田さんのことを気にかけてくださっていた女性2人を呼んで、彼に会ってもらいました。

彼女たちも私と同様、彼に厳しいことを言いました。
でも彼にとって一番響いたのは、彼女たちが「誰にも会わずに去ったりしてはダメ」と言った言葉でした。

何か問題を起こすと一切の関係を断ち切って「飛び」、別の場所で新たに仕切り直そうとする人は多いです。
だから孤独が続く。
孤独に耐えれずに問題を起こす。
そしてお金も持たずに「飛んで」立て直せなくなる。

結局、彼は会社を辞めたけれど、島に残りました。
いまは社長とご縁のある方のところに住まわせてもらい、そこで農業を手伝いながら仕事を探しています。

正直、彼は甘いと思うし、自分も甘いと思う。
これが正解だとは思わないけれど、同時に、全部正解なのだとも思いました。
正解にするかしないかは彼次第。

翌朝、彼が空港まで見送りにきてくれたので
「辞める辞めないは松田さんの自由。でも、辞めるときはお世話になったお礼を言って、迷惑をかけたことをお詫びして、笑って再会できる形で辞めるんだよ」と言ったら「そのつもりです」と言って、握手を求めてきました。

私はその直前に海辺で誰もいないのをいいことにウンコをし、手で拭いたのを海で洗っていたので「さっき野グソして拭いた手だけど、大丈夫?」と聞くと
彼は「大丈夫。自分の手はもっと汚れています」と言いました。

うまいこと言うなと思い、固く握手をしてプロペラ機に乗りました。

写真は空港近くの神社にいた野ウサギと、私が手を洗った海です(笑)

この記事の著者

三宅 晶子
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